[ オピニオン ]
(2017/5/19 05:00)
1100年以上の歴史を持ち、毎年7月に100万人もの見物客が訪れる京都の「祇園祭」。30基以上の山や鉾(ほこ)が市内の中心街をめぐる「山鉾巡行」が最大のハイライトである。
祇園祭山鉾連合会(京都市中京区)や山・鉾を出す34の町会は、警備会社に雑踏警戒を依頼し、見物客が事故で負傷した時に備えて賠償責任保険に加入する。見物客の安全を確保し、安心して祭りを楽しんでもらうためで、警備費や保険料を負担してきた。
費用負担は年々増えて、2016年に約4000万円に達し、行政の補助があっても維持が難しくなった。このため連合会はインターネットで出資者を募るクラウドファンディングを初めて導入し、専用サイト「Makuake」(マクアケ)で5月8日に募集を始めた。
1人3000円から10万円まで五つのコースがあり、手拭い、厄よけちまき、扇子、八坂神社本殿正式参拝など、出資額に応じて特典がもらえる。目標金額は300万円に設定した。
目標は翌日昼にあっさりとクリアした。13日には1000万円を超え、18日には約1100万円に達した。祭りの安全・安心に役立つ資金を広く浅く集めるこの仕組みは、京都から全国に広がる可能性がある。
(2017/5/19 05:00)