[ ICT ]
(2017/5/23 19:00)
【烏鎮(中国浙江省)時事】「世界最強」とされる中国の囲碁棋士、柯潔九段(19)と囲碁人工知能(AI)「アルファ碁」との3番勝負第1局が23日、中国浙江省の烏鎮で行われ、白番のアルファ碁が勝利した。271手で半目勝ち。
第2局は25日、最終局は27日に行われる。
米グーグル傘下、英ディープマインド(DM)社が開発したアルファ碁は、自ら学習を積み重ねる「ディープラーニング(深層学習)」技術を採用。自立的に最善の打ち手を探し出す。
柯九段は対局後、記者団に対し「弱点はまったく見つからなかった。アルファ碁に勝つことはとても難しい」と敗北を認めた。
DM社の開発者デミス・ハサビス博士は「トップ棋士に弱点を見つけてもらいたい。それが分かればさらに自分で学習し、解決するようになる」と語った。
アルファ碁は、昨年3月には韓国のトップ棋士、李世●(い・せどる、●は石の下に乙)九段(34)と対戦。4勝1敗で圧勝した。当時は「AIがトップ棋士に勝つにはまだ10年はかかる」とみられていたが、驚異的な成長を遂げていたことが分かり、世界を驚かせた。
昨年末にはインターネット上で「マスター」と名乗る謎の打ち手が登場。世界のトップ棋士らと対戦し、60連勝した。後にその正体は「進化したアルファ碁」だったことが明らかにされた。
今回の対戦は、グーグルや中国政府などが共催する「囲碁の未来サミット」の目玉イベント。賞金は150万ドル(約1億6700万円)。
(2017/5/23 19:00)