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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/29 05:00)
立命館大学大学院生命科学研究科の堤治教授と三ッ橋史香大学院生らは、白色発光する透明高分子材料を開発した。波長366ナノメートル(ナノは10億分の1)の紫外光を当てると、400ナノ―700ナノメートルの可視光領域全体で発光する。発光効率は約5%。加工しやすい高分子は、曲面や広い面を照明として活用する用途に向く。企業との共同研究を進めており、2020年までに試作デバイスの完成を目指す。
開発した高分子は、ベンゼン環が二つつながったビフェニル基に、三重結合を持つアルキンが結合した発光部位を持つ。高分子内部は非結晶構造になるため、発光部位の周辺環境がばらつき、発光波長に影響して波長帯が広くなる。
現行の白色LEDは青と黄色の光を混ぜて白く見える光を出すが、新材料は青から赤まで幅広い光を出せるため、自然光に近い。
ポリエステル基板に高分子を塗布して柔軟な発光板を試作した。複雑曲面にも塗布でき、均一に光る。現在は紫外光で高分子を励起しているため、今後電気エネルギーで発光するようにデバイス設計を進める。発光効率も高める。
カラーフィルターと組み合わせればフルカラー化が可能。透明性を利用した自動車用のヘッドアップディスプレーや照明などへ応用していく。
29日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開かれる高分子学会で発表する。
(2017/5/29 05:00)
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