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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/6/1 05:00)
東レは2017―19年度の3年間で繊維事業の設備投資に1000億円を充てる。日系化学繊維メーカーが繊維事業への投資を抑える中、突出した設備投資を維持する。このうち約600億円が事業拡大のための新規投資、残りが既存設備の更新などとみられる。特に機能性を持たせた衣料用素材や不織布、人工皮革やエアバッグなど成長分野の生産能力を拡大する。
東レの16年度繊維事業の売上高は8561億円。全社売上高の約42%を占め、同社事業部で最大。製造技術の高度化や製造費の低減などで、競争力を保ってきた。
17―19年度の同社全体の設備投資額は5000億円を計画。このうち繊維事業は1000億円で、14―16年度の3年間と同水準を維持する。衣料用機能性素材の一貫体制の整備に多くを割く方針だ。伸縮性や速乾性に優れた繊維や生地はスポーツやアウトドア衣料向け需要が拡大するとみて、中国で加工設備を増やす。ベトナムでの染色工場建設も検討。縫製拠点も広げ、原糸から製品まで生産体制を拡充する。
おむつなど衛生用品に使うポリプロピレンのスパンボンド(長繊維不織布)にも投資する。16年に設備を増やしたインドネシア拠点での設備増設や、中国拠点の能力増強を検討する。インドの事業化調査も継続し、需要動向を見ながら市場参入の可否を判断する。
自動車用内装材などに使うスエード調人工皮革「アルカンターラ」は生産能力の倍増を決定済み。総投資額は約350億円で段階的に設備を導入する。
(2017/6/1 05:00)