[ オピニオン ]
(2017/6/1 05:00)
郵便はがきが1日から、62円に値上げされる。消費増税以外では23年ぶりの改定だという。個人需要が主体の年賀はがきだけは52円に据え置くあたりに、苦肉の策がみてとれる。
値上げの影響が出るのは企業と思われる。定期預金の利息や通信事業者の月額料金などの通知を封書からはがきに変えることで、関係企業は郵便代金を節約してきた。消費者の手元に到着したはがきを2―3枚に開く通知方法は、すっかり定着した。
通常の封書の料金は82円のままだから、はがきの大量発送企業が2割の値上げという打撃を受けることになる。年1回の通知なら、一面を年賀のあいさつにして正月に発送する方法が新たな節約法方法として浮上するかもしれない。
はがきと同時に、封書でも新たに「規格外」という大きな郵便の区分を設定し、従来の定形外郵便より高い料金を課すようになる。宅配便料金が値上がりする中で、定形外に逃げることも難しくなる。
関係する企業にとって、新たな負担は大きな問題である。ただ電子メールを活用すれば通知コストは大幅に抑制できるし、急がない郵便は配達日を一本化するなどの方法もありそうだ。ITを活用してコストを減らす方法の研究を急ぎたい。
(2017/6/1 05:00)