京都府立医大、ヒト角膜内皮細胞移植を秋に医師主導治験

京都府立医科大学特任講座感覚器未来医療学の木下茂教授らは３１日、水疱（すいほう）性角膜症に対するヒト角膜内皮細胞移植の医師主導治験を、今秋をめどに始めると発表した。高品質な角膜内皮細胞の安定した培養技術を確立。細胞注入療法による再生医療で、約２０分と短時間の手術で良好な視界が得られる。２０１９年の薬事承認申請を目指す。将来は１人の角膜提供者で２００―３００人の治療を可能とし、提供者不足に対応する。

同グループは１６年３月までに３０例の臨床研究で安全性と有効性を確認。手術後の乱視や角膜の歪みが少ない治療法として期待される。医師主導治験では最適な細胞量の決定や適用病態の検討を行う。京都府立医大付属病院のほか、京都大学医学部付属病院と国立長寿医療研究センターで治験を分担する。