[ 機械 ]
(2017/6/2 05:00)
【静岡】木村鋳造所(静岡県清水町、木村寿利社長、055・975・7050)は、IoT(モノのインターネット)を活用し、主力とするフルモールド鋳造の生産高度化に取り組む。既存工場の一つをモデル工場として、IoTを活用して総合的にデータを取得し、鋳造工程での不具合解析などを実証。高品質、短納期など競争力強化に結びつける。創業100周年を迎える2027年までに、先進鋳造工場「スマートファンドリー」として実現を目指す。
木村鋳造所はIoT活用にあたり、16年に開発部内にIoT課を設置。取得データの解析精度向上など技術精度を磨いてきた。これまでに蓄積したデータに加え、今後はモデル工場に設置したセンサーにより鋳造設備の稼働状況のほか、詳細な経験値データも集め、解析する。
モデル工場では材料の投入や配合などの自動化・最適化といった製造技術の向上にも取り組む。高品質な鋳造製品づくりに生かす。
鋳物大手の同社は自動車用プレス金型や、工作機械、エネルギー関連向けがメーン。16年12月期売上高は約170億円。
同社は先進のデジタル技術活用にも積極的で、3Dプリンターを使った独自の鋳造法(DMP)のほか、リバースエンジニアリング事業などを展開。これら技術を鋳物製造プロセスに活用し、世界文化遺産登録された韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)の模型製作、コンサート用舞台装置の発泡模型など応用範囲を広げている。IoT活用で事業領域の拡大を目指す。
(2017/6/2 05:00)