[ 政治・経済 ]
(2017/6/12 05:00)
【パリ時事】フランスで11日、マクロン大統領の安定政権樹立が懸かる下院選(定数577、小選挙区制)の第1回投票が実施され、仏メディアが伝えた開票後の推計によると、大統領の中道新党「共和国前進」の候補が大半の選挙区で最多得票し、同党が過半数(289)を大幅に上回る400超の議席を獲得する見通しとなった。
仏BFMテレビが伝えた予想獲得議席数は、共和国前進と中道政党のグループが415~445、共和党を含む右派・中道連合が80~100、社会党を含む左派連合が30~40、急進左派「不服従のフランス」が10~20、極右政党・国民戦線(FN)が1~4となった。
ただ、第1回投票で50%以上の票を獲得できなければ、有権者数の12.5%以上の票を獲得した複数候補が18日の決選投票に進む。多くの選挙区で結果は確定しておらず、共和国前進が決選投票まで勢いを維持できるかが焦点となる。
共和国前進の圧勝ムードが広がる中、投票率は2012年の前回下院選第1回投票の57・2%を下回る約49%に低下。仏メディアによれば、1958年に第5共和政が発足して以来、下院選第1回投票としては最低を記録した。
オランド前政権を支えた社会党は前大統領の不人気を背景に、フェクル前内相ら閣僚経験者を含む大半の現職が落選する惨敗を喫した。5月の大統領選で決選投票に進んだFNのルペン党首は下院選で北部の選挙区から出馬し、首位で通過。議席獲得をほぼ確実にした。ただ、当初有力視されたFNの数十議席獲得は厳しい情勢だ。
共和国前進の選挙戦を率いるフィリップ首相は「投票率は低かったが、有権者の意思は明確に示された」と結果に自信を示した。一方で、ルペン氏は「数千万人が棄権した現在の投票の在り方には問題がある」と疑問を呈した。
内務省が発表した開票率76%時点の結果では、共和国前進グループが31.3%で首位。共和党グループが22%、FNが14.4%、「不服従のフランス」が10.6%、社会党グループが9.7%だった。
(2017/6/12 05:00)