[ ICT ]
(2017/6/19 17:00)
アマゾンとグーグルの音声認識機能にも対応
アマゾンの「エコー」やグーグルの「グーグルホーム」、そしてアップルが今月初めに発表した「ホームポッド」など、音声で情報を調べたり、家電製品への指示を出したり、音楽を楽しんだりできるスマートスピーカーの市場が拡大する中、米半導体大手のクアルコムが、スマートスピーカーのリファレンスデザイン(半導体メーカーによる応用製品の設計図)を15日に発表した。
製品に必要なハードウエアやソフトウエアなど、いわゆるプラットフォーム(基盤)を丸ごと用意したもので、これを活用すれば、スピーカーメーカーなどOEM先で自社ブランドのスマートスピーカーを手軽に商品化できるようになる。第3四半期に出荷開始予定。それに加え、年内にはアマゾンの「アレクサ」、グーグルの「アシスタント」という2大音声認識機能のサービスにも対応するという。
「クアルコム・オーディオ・プラットフォーム」と名付けたリファレンスデザインでは、マイクとスピーカー、演算処理やメモリーなど必要な機能を1チップにまとめたシステムオンチップ(SoC)、ハイレゾオーディオアンプ機能、ブルートゥースおよびWi-Fi無線通信、それに音声認識機能などが含まれる。複数のマイクを使って離れたところから音声や、「OK、グーグル」といった起動の合図を確実に聞き取ることができ、屋内に声が響く場合のエコーキャンセル機能も持たせた。
同社のアンソニー・ムレー上級副社長は声明の中で「ネット接続のスマートスピーカーに必要なハードやソフト、ツールがそろっており、開発期間を短縮できる」とその利点を強調した。
このほか、スマートスピーカーをめぐっては、米マイクロソフトの音声アシスタント「コルタナ」について、韓国・サムスン電子傘下の米ハーマンインターナショナルや米ヒューレット・パッカードが同ソフトを搭載した製品を開発中。スマートスピーカーの開発基盤となるリファレンスデザインの登場で参入企業が増え、競争が激しくなりそうだ。
(2017/6/19 17:00)