[ 機械 ]

MF―Tokyo2017/インタビュー(6)村田機械取締役・今木圭一郎氏

(2017/6/21 05:00)

【村田機械取締役工作機械事業部長・今木圭一郎氏】

―出展のアピールポイントは。

「前回テーマに掲げた『融合・進化・挑戦』に、『人と協調するものづくり』を加えた。ファイバーレーザーをベースとした複合加工機と搬送装置の組み合わせで、加工後にピッキングして台車に乗せるまでの一連の仕組みをアピールする」

―新機種は。

「曲げ加工を行うプレスブレーキは、機械前面への画像表示で、作業者の操作を支援する新機種を出展する。プレスブレーキの傾向は、熟練工が減っていることもあり、角度センサーを付けるなど、誰がやっても加工できるなどの、操作性が重視されている」

―目玉のファイバーレーザー複合加工機『LS3015HL』の特徴と強みは。

「ファイバーレーザーをベースとしたタレットパンチプレスの複合加工機として、付加価値を提供している。レーザーヘッドが動き薄板を切断するので、ドアや制御盤用などの長い切断加工をする場合に、早く加工できる。加えて切断とパーリング加工、タップを切ることが可能」

―引き合い、販売状況はいかがですか。

「こうした複合機は他にない。既に販売実績もあり、確実に市場はある。引き合いもあるので、メリット訴求で受注に結び付ける。一方、穴開け加工や成形加工が多い場合は、タレパンベースの複合機の方がいい。それぞれニーズがあり、どちらにも対応できる」

―足元の板金加工市場の状況と見通しは。

「2016年度後半の国内受注は、思ったほど伸びなかった。当社はパネルや建材向けなどの装置が強いので、20年の東京オリンピックに向けて、かなりの需要があると見込んだが、少し投資が止まっている感じだ。止まっている理由は、人手不足などで施設が建設されないため。今年の秋ぐらいから、少し動きだすのではないか。海外では東南アジアやインドが市場として育ちつつある。従来は中古機が主流で市場に流れていたが、新機を購入する流れもでてきている」

【記者の目/板金加工で提案充実、強みに】

工作機械事業の旋盤ではワーク搬送も含め、顧客に合わせて作り込むのが同社の強み。生産現場では熟練工不足、人手不足により自動化、省力化が求められている。ファイバーレーザー複合加工機、作業者を支援するプレスブレーキ発売など、板金加工の商品構成も増える。板金加工においても顧客に合わせた提案が充実し、強みとなるはずだ。

(京都・水田武詞)

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/6/21 05:00)

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