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[ 商社・流通・サービス ]
(2017/6/25 12:30)
世界最大のハブ空港拠点
(ブルームバーグ)中国で空の玄関を舞台にした覇権争いが激しさを増しつつある。北京首都国際空港を抑えてきた中国国際航空に対し、金融センターの上海で優位にある中国東方航空と輸出拠点の広東省広州に深く食い込んでいる中国南方航空が攻勢に出ようとしている。現代版「三国志」は首都攻防を巡り大きく動きそうだ。
北京では新たな巨大空港の建設が進んでおり、北京は世界最大のハブ空港拠点となる。3社の均衡が崩れるのは必至。2019年開港の新空港は、世界的な航空会社連合「スカイチーム」のハブ空港としての機能を持つ。スカイチームに加盟する東方航空と南方航空は新空港を利用する乗客のそれぞれ40%を扱うことが認められ、中国国際航空の裏庭で各社が切望する欧米に向かう航空便の時間枠を手にすることになる。
クルーシアル・パースペクティブ(シンガポール)のコリーヌ・プン最高経営責任者(CEO)は、新空港は「勝敗の行方を大きく変える」と指摘。スカイチームの2社が1つの空港をハブ化することで、「継ぎ目のないフライト接続が可能になる」と述べた。
中国国際航空が加盟する「スターアライアンス」は、ドイツのルフルトハンザ航空や米ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス、シンガポール航空など28社を擁する。スターアライアンスは現在、北京首都国際空港で時間枠の38%を握っている。
中国では東方航空が日韓路線で最大手で、南方航空はオーストラリアと東南アジアの運航で強みを持つ。中国国際航空はスターアライアンス各社との関係を生かし欧州と北米の路線を多くを扱っており、同社の地元ライバル2社による攻勢への関心は中国以外でも広がっている。
北京市大興の近くに誕生する新空港は14年に認可された。129億ドル(約1兆4300億円)をかけた新空港が開港すれば、北京はロンドンやニューヨーク、東京、パリといった圏内に2つもしくは3つの国際空港を持つ都市の仲間入りをすることになる。
(2017/6/25 12:30)