[ 機械 ]

MF―Tokyo2017/インタビュー(13)オーセンテック取締役・高田全氏ほか

(2017/7/3 05:00)

  • 矢部純氏

【放電精密加工研究所取締役執行役員開発事業部長・矢部純氏】

―出展の目玉は。

「デジタルサーボプレス『ZENFormerシリーズ』の新機種を発表する。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形や、高機能フィルムの高精度ハーフカット加工が可能。完全スライド平行維持、ナノメートルレベルの安定繰り返し下死点精度、ストローク全域でフルパワーが発揮できる点を訴求したい。IoT(モノのインターネット)によって加工データの蓄積・解析で、安定品質で量産体制を構築できる仕組みも紹介する」

―受注状況は。

「昨年末より上向いてきており、自動車や航空機関連が好調。プレス加工事業と装置事業の引き合い件数は前年度比2割増のペースだ。CFRPなど新素材への対応を強化し5年後に現状比で年商を倍増させたい」

―今後の方針は。

「高精度サーボプレス機メーカーとしての強みを生かし、金属に限らず樹脂系材料との融合などマルチマテリアル化にも対応する。また保有する加工技術でサンプル提供から量産までワンストップで顧客ニーズに応える。提案型営業を引き続き行っていきたい」

(相模原・石川暁史)

  • 高田全氏

【オーセンテック取締役・高田全氏】

―出展の目玉は。

「バリ取り機『AuDeBu(オーデブ)』シリーズにワークの取り出しロボットを搭載した『1002Robot』を展示する。バリを取ったワークの形状や角度、向きをカメラで画像認識し、ロボットでワークを回収箱に仕分ける。これにより曲げや溶接加工など次の工程への時間的ロスを省ける」

―相模原市内に新工場を建設中です。

「11月に稼働する予定だ。海外での生産を国内に一部シフトすることで、開発と生産の国内一貫体制を構築する。2020年の東京五輪・パラリンピック開催を見据えて設備投資に意欲的な家電、公共交通機関、社会インフラ関連の企業ニーズに応えていく」

―今後、力を入れる分野は何ですか。

「バリ取りのロボット化やIoT(モノのインターネット)の研究や開発を進める。海外での営業を強化し、販売実績のある東南アジアやオセアニア地域などで売り上げを増やす。将来は欧米でも販売したい。バリ取りの機械化による生産性向上や品質の安定化といった利点を訴求する」

(相模原・石川暁史)

  • 齋藤隆範氏

【エステーリンク常務・齋藤隆範氏】

―出展内容を教えてください。

「バリ取り機では『メタルエステ』シリーズの主力3機種に加えて、手動タイプの『メタルハンズ』などを展示する。溶接作業テーブルの『3D定盤』も紹介する」

―新たな取り組みは。

「より多くの製品を展示して来場者にPRしていく。ワーク(加工対象物)のサンプル品の持ち込みにも対応し、テスト加工を積極的に実施する予定だ。また今回は、オプション製品と組み合わせた効率的な使い方を提案する。例えば、『メタルエステ』では、マグネットコンベヤーと組み合わせることによって、小さなワークでもしっかり固定できる手法を示す。さらに他社製のロボットを使ってワークを自動搬出する手法を紹介する計画だ」

―見込んでいる出展効果は。

「来場者に対する認知度を高めることに加えて、事前に商談などを行った企業に装置を選定してもらう機会として位置付けている。競合他社と同じ土俵で勝負しながら、自分たちの技術力をしっかりアピールしたい」

(新潟支局長・古谷一樹)

  • 吉田保雄氏

【協和マシン社長・吉田保雄氏】

―出展する機械は。

「L曲げ加工機『KMP25DS―FT』のリターンテーブル仕様を紹介する。最も一般的な規格の板に対応するサイズで、一番の売れ筋の機械だ。当社の最新モデルでもある」

―特徴は。

「作業者が加工対象物(ワーク)をテーブルに載せて加工すると、同じ方向にワークが返る。通常だとワークを載せた所とは別の場所に搬出したり、テーブルがなくて機械に直接ワークを出し入れしたりする。それに比べてワークのセットがしやすい。ワークを積み下ろしをしている間も機械が稼働しているので生産性が上がる」

―どのような実演をしますか。

「板金の曲げ加工で傘立てやかばんを作る。プログラムを組めば、自動で金型を交換して複雑な加工ができることをPRする」

―足元の市況は。

「いろいろな業界から引き合いがあり、忙しい。熟練の技が必要なプレスブレーキ(V曲げ)から、扱いが容易なL曲げに曲げ機の需要が移る流れが生じているのだと思う。展示会では『VからLへ』を強調したい」

(富山支局長・江刈内雅史)

→ MF-Tokyo2017特集

(2017/7/3 05:00)

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