[ オピニオン ]
(2017/7/12 05:00)
今後の人口減少は食のマーケットを縮小させる懸念がある。しかし、中には高成長を続ける商品も結構ある。食品メーカーには多様な視点で顧客ニーズを的確につかみ、商品開発と市場開拓に取り組んでほしい。
高成長分野の代表は、冷凍食品と機能性ヨーグルトだろう。冷凍食品は焼きおにぎりやチャーハンなどの米飯類が一般家庭に受け入れられた。例えばチャーハンでは、中華料理店で出される“本物”の味に近づけるための熱風乾燥や味覚物質の研究が進んでいる。こうした技術革新は、ハンバーグや唐揚げでもみられる。
またヨーグルトは乳酸菌の機能性による差別化がキーワードだ。消費者の間で腸内フローラへの関心が高まったことで、新規顧客やリピーターを獲得しやすい環境が生まれている。
どちらもメーカーが消費者ニーズをうまくとらえ、それに合わせた生産技術や原料を開発、新商品を世に問うてきたことが躍進の原動力といえる。
最近ではひとり暮らしをターゲットとした食品も好調だ。パック米飯やカット野菜が代表格で、調理に手間がかからず食材を無駄にしないで済む点が受け入れられている。
中身や製法を刷新し、売り上げを伸ばす商品もある。緑茶飲料はその実例だ。消費者の味の好みは少しずつ変わる。大手メーカーは変化にいち早く対応する努力を続けることで販売力を維持している。
消費者ニーズの変化は、モニターや調査機関を使ってとらえる方法が主流だ。開発担当者が店頭の売れ筋商品をチェックする中から湧いてくるアイデアも役に立つ。こうした例はさらに増えるだろう。
さらに食品の購入客は女性が多い。メーカーでも女性社員が直接、新商品を開発したり、女性社員の意見を取り入れて開発するケースが増えた。今後も女性目線での開発が必要だろう。
食品産業は規模が大きく、裾野が広い。売り上げを増やせれば地方の雇用確保や6次産業の創出につながる。人口減を業績不振の言い訳にしたくない。
(2017/7/12 05:00)
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