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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/7/13 05:00)
日本製紙は12日、富士工場(静岡県富士市)で微細な木質繊維(パルプ)であるセルロースナノファイバー(CNF)強化樹脂の実証生産設備(写真)を本格稼働した。同社は京都大学を主体とする新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画し、CNF強化樹脂の開発に取り組んできた。実証生産設備でCNFを補強材とする各種樹脂の量産技術確立とともに、サンプル供給を拡大する。生産能力は年10数トン。
CNFは低比重(1立方センチメートル当たり1・5グラム)でありながら鋼鉄と同等の曲げ強度と、5―8倍の引っ張り強度を備える。さらに石英ガラス並みに熱変形が小さい。こうした特性が自動車部品などの分野で、新たな樹脂複合材料として大きな期待を集めている。NEDOプロジェクトによる京大宇治キャンパス(京都府宇治市)のCNF強化樹脂テストプラントは生産能力が年1トンで、10倍以上の規模になる。
日本紙は石巻工場(宮城県石巻市)で4月に、CNF自体を年500トンの生産能力で量産する設備を稼働している。また、ケミカル事業本部江津事業所(島根県江津市)では9月稼働を目指し、食品添加物のカルボキシメチルセルロース(CMC)製造技術を応用した同30トンの食品・化粧品向けCNF量産設備の建設も進めている。
(2017/7/13 05:00)
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