[ ICT ]
(2017/7/25 22:30)
アジアでの配車サービス事業統合の可能性も
ソフトバンクグループが配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズに対し、数十億ドル相当の株式取得を打診したと米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が25日報じた。ソフトバンクGはすでに、シンガポールのグラブ、インドのオラ、中国の滴滴出行(ディディチューシン)というアジアの配車サービス大手に出資しており、ウーバーの株式取得で、アジア市場でのウーバーとグラブ、オラの事業統合を目指す可能性があるという。
関係者の話として報道したもので、両社の協議は初期段階だとしている。ウーバーは現場でのセクハラや差別の横行、グーグル子会社ウェイモによる特許侵害訴訟などで経営が混乱し、6月には共同創業者のトラビス・カラニック氏がCEOを辞任。取締役会が次期CEOを探しているが、人選は難航している模様。WSJによれば新CEOが就任するまでの間、株式譲渡についての両社の合意は保留されるとしている。
経営が混乱する一方で、ウーバーは世界各地での競争激化に伴い、昨年には中国最大手でライバルの滴滴に中国事業を売却。先日もロシアの事業部門を同国で競合するヤンデックス・タクシーに売却するなど、外国での事業でも困難に直面している。
東南アジアの配車サービス市場は拡大が見込まれ、ソフトバンクGと滴滴は東南アジア最大手のグラブに最大20億ドルを出資すると24日に明らかにしたばかり。シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスによれば、2015年に25億ドルだったアジアの配車サービス市場は、25年に131億ドルまで拡大が見込まれるという。
ウーバーの株主、取締役会がソフトバンクGなどを対象にした株式の一部売却を検討していることについては、ブルームバーグが15日に報じていた。
(2017/7/25 22:30)