[ ロボット ]
(2017/7/28 05:00)
蛇腹管内を安定走行
立命館大学の加古川篤助教と馬書根(マ・シュゲン)教授らは、空調ダクトを掃除する清掃用ロボットを開発した。「へ」の字の機体に六つの車輪を搭載。先端のブラシを回転させて配管内の汚れを落とす。家庭の空調に使われている柔らかい蛇腹管の中を安定して進め、吸引ホースでは届かなかった範囲の掃除ができる。日本ウイントン(東京都大田区)で運用性を検証しており、2017年度内の実用化を目指す。
「ヘ」の字の機体を曲げるようにバネが入っており、配管の中に投入すると、頭と背中、おしりが配管の内側に接触する。6輪を壁面に押し当てるため、配管の直径が変わっても安定して進める。
コストやメンテナンスを考慮してモーターやリンクの数を極力減らし、6輪構造とした。前後進と回転用に一つずつモーターを配置している。100ボルトの家庭用電源で動く。
家庭の空調配管の清掃では堆積したホコリの除去が中心でホースを挿入して吸引していた。ロボットが配管内を自走できるとホースでは届かない箇所も掃除でき、カメラで直接確認できる。先端のブラシを金属製に代えれば強固にこびりついた汚れも削り落とせると見込んでいる。
技術的にはリンクを追加し「M」の字構造にして車輪を増やすなど、用途や要求出力に応じて調整可能。研究室では天井に蛇腹管を張り巡らせて、柔らかくたわむ状態で走行性能を確認した。日本ウイントンでホコリが厚く堆積した家庭でも清掃できるかどうか検証する。
(立命館大学提供)
(2017/7/28 05:00)