【電子版】中国イノベーション事情（１５）進展する中国のフィンテック（上）

キャッシュレスの加速

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  北京市内にある百貨店の飲食フロアのドリンクコーナー。QRコードを提示する客とそれをスキャンしようとする店員（写真はいずれも筆者撮影）　

かつて、マイクロソフトのビル・ゲイツは「Banking is necessary, but banks are not」（金融サービスは必要であるが、銀行はそうではない）と喝破した。近年、情報通信技術（ICT）を活用した革新的な金融商品とサービスの融合を指す「フィンテック」（FinTech、ファイナンスとテクノロジーを組み合わせた略語）が注目を集めている。

中国では、フィンテックを「互聯網金融」（インターネット金融）と呼ぶことが多かったが、最近ではフィンテックの直訳である「金融科技」が使われるようになった。フィンテックは、新たな産業として急成長を遂げている。とりわけ、非現金決済の市場規模は、中国人民銀行の報告書によれば、2009年の716兆元（約1京1456兆円、1元約16円で換算）から2016...