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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/14 05:00)
名古屋工業大学大学院工学研究科の柴田哲男教授らは、多発性骨髄腫などの治療薬「サリドマイド」の高性能化と安全性確立につながる技術を開発した。水素をフッ素に置き換えた「フルオロサリドマイド」を構成する鏡像異性体の、右手型と左手型を作り分ける技術を確立。左手型は特に骨髄腫細胞死を誘導することが分かった。副作用を抑えられるため、奇形胎児が産まれる危険性が無い治療薬の開発につながる。
狙った位置にフッ素原子を導入できる「不斉フッ素化反応」でマラリア治療薬のキニーネ誘導体を用い、金属イオンなどの違いで作り分けを可能にした。右手型と左手型は共にサリドマイドより骨髄腫細胞殺傷能力が高いことが分かった。サリドマイドとは逆に、血管新生を阻害ではなく促進することも分かった。血管新生阻害は奇形胎児と関係すると考えられている。
(2017/8/14 05:00)