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[ エレクトロニクス ]
(2017/8/15 05:00)
来年、都内に直営店オープン
音響技術と高級オーディオスピーカーを開発するフランスのデビアレ(パリ)が日本に進出する。9月にも100%出資の日本法人を設立し、スピーカーの販売を開始。2018年4月には都内に直営店舗をオープンする。併せて自動車や家電メーカーなどに対し、高音質を実現する独自のスピーカー技術のライセンス供与も進める。
デビアレは07年設立のスタートアップ。主力のオーディオスピーカー「ファントム」は外観が繭のような独特の形をしていて、海外ではアップルストアでも販売。その高級感を生かし、都内の表参道あるいは銀座に直営店を設ける。フランスでは本社に近いパリのオペラ座ともパートナー契約し、オペラ座内に直営店を9月にオープン予定。オペラ座のネーム入りの限定モデルも発売するという。海外モデルの価格は1999-2999ドルで、日本での販売価格は25万円程度からを想定。
鴻海・シャープ・ルノーなども出資
ライセンス事業では、家電や自動車、スマートフォン、スマートスピーカーなどに音響技術を提供する。デビアレは16年末に実施したギンコ・ベンチャーズ主導の1億ユーロ(130億円)の資金調達で、台湾・鴻海精密工業、シャープ、仏ルノー、さらに「アンドロイド」OSの父、アンディ・ルービン氏が設立したハードウエア開発支援型ベンチャーファンドの米プレイグラウンド・グローバルなどから出資を受け入れた。
ルービン氏はこれとは別に、スマホを開発販売するエッセンシャル・プロダクツを創業し、同社にはアマゾンや中国・テンセント、鴻海も出資している。デビアレでは、こうした関係を生かしながら、ライセンスの事業展開を加速する戦略のようだ。
その第1弾として、欧州有数のメディア企業である英スカイと提携。スカイとデビアレは7月末、スカイのテレビ受信用セットトップボックス(STB)と組み合わせて使う音響システム「スカイ・サウンドボックス」(価格は799ポンド)を秋に発売すると発表した。
デビアレで日本担当事業開発責任者を務めるルカ・フェネック氏によれば、ファントムは15年10月の発売以来、欧米、アジアで約6万台の販売実績があるという。
これまでのコーン紙のスピーカーを使わず、左右の丸い金属板が本体に触れずに振動する構造を持ち、14ヘルツ-27キロヘルツまでの音がクリアに出せる。自社開発のアナログおよびデジタルアンプを組み込み、出力が変化しても各周波数帯の音のバランスが崩れないのも特徴としている。
さらに、壁に音を反射させながら、1台でほぼ5.1チャンネルと同じ没入感のあるサウンドが楽しめるという。音楽データはWiFiやブルートゥースで転送し、パソコンやスマートフォンからも操作できる。
(2017/8/15 05:00)