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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/9/1 05:00)
【浜松】ヤマハ発動機は、2輪車やマリン事業で培った高度な鋳造技術を生かした受託生産事業を始めた。大物部品を薄肉で鋳造するアルミダイカストの量産技術やマグネシウム鋳造技術など独自技術で新分野を開拓する。グローバルな生産ネットワークも生かし、同事業で年間売上高100億円を目指す。
ヤマハ発動機は薄肉大物のアルミダイカスト部品を量産する「CFダイキャスト」や、難加工材とされるマグネシウムの鋳造など独自技術を持つ。さらに世界9カ国に小型から大型、低圧から高圧まで、さまざまな部品に対応できる鋳造設備と製法を展開する。受託生産事業でもインドネシアやタイの拠点を中心に活用し、多様なニーズにこたえる。
自動車の電動化が進む中、軽量化技術が再び見直されている。同社が2輪車事業で培った鋳造技術は、電気自動車(EV)の軽量化やEV用モーターの軽量化、高性能化技術として提案できる。輸送用機器分野以外でも、風力発電用機器の鋳造部品や複雑な形状のエクステリア(外装材)やアート作品など新規分野の開拓を進める。
ウェブサイトや展示会を通じて認知度を高め、受注拡大を目指す。国内2輪車市場が伸び悩む中、受託が増えれば工場の稼働率も高まる。
同社の鋳造技術の歴史は、独立した日本楽器製造(現ヤマハ)のピアノフレームにさかのぼる。品質や機能、美しい外観が求められる2輪車の鋳造部品、信頼性と耐久性を誇る船外機、さらに4輪車エンジンなど多彩な製品群に対応してきたことで技術が磨かれた。
(2017/9/1 05:00)