[ 機械 ]
(2017/9/13 05:00)
【川越】ウイング(埼玉県川越市、小林一宏会長、049・232・7066)は、プレス加工によりアルミニウム材をファインブランキング(精密打ち抜き)並みに塑性加工する技術を確立した。切削などで製造している部品を金型によるプレス加工でつくれるようになり、コストを大幅に削減できる。現在、試作品の試験などを行っており、品質などに問題ないと確認でき次第、量産に移る。
アルミ材は、金属の中でも軟らかく、プレス金型で打ち抜くのが難しいとされている。ウイングがプレスで試作した部品も、現在はアルミの押出成形品を薄く板状に切断し、これに穴開けや溝彫りなどの切削加工を施している。プレス成形が可能になれば、アルミの板材を金型で打ち抜くだけなので「切削だと1個つくるのに数分かかるのが、大幅に時間短縮できる。押出成形品をカットするときに出る切りくずのロスもなくなる」(小林会長)ため、コストを劇的に落とせるという。
同社は通常のプレス加工で、ファインブランキング並みの品質の鋼材部品を製造する技術を保有。ギアなどの複雑形状を得意とし、鋼板の厚さも最大12ミリメートルまで対応できる。「ファインブランキング並みに加工できるなら、アルミ材もできるのではないかと依頼され、そこから話が進んだ」(同)という。
具体的な製法技術は非公表だが、「金型の概念がまったく違う。金型を内製しているのでこういった難しいプレスもできる」という。プレスできるアルミ板の厚さは「実績があるのは8ミリメートル。鋼材と同じ最大12ミリメートルも理論上可能」としている。
同社は5月に阪和興業のグループ会社となり、同社が群馬県伊勢崎市に開設する物流拠点の一部を賃借し、プレス加工の新工場とする予定。2018年2月末にも稼働させる。
(2017/9/13 05:00)