[ ロボット ]
(2017/9/17 10:00)
独シーメンスは中国に自律ロボットの研究開発センターを設立すると14日発表した。清華大学と協力して北京の同大学に設置するもので、自律ロボットについて同社のグローバル研究拠点とする。メカトロニクスシステムや人協調ロボット、ロボットコントローラー向けの人工知能(AI)に焦点を当て、年内に活動を開始する。
中国が世界有数のモノづくり大国になる中で、作業を効率化するロボットの需要が急増。国際ロボット連盟(IFR)の2016年のレポートによれば、19年に世界で販売されるロボットの40%を中国が占め、世界最大のロボット市場になると見込まれている。
また、中国電子学会では、中国のロボット市場は17年に42億2000万ドル(約4600億円)に達すると予測。一方で、16−20年の第13次五カ年計画では、中核部品の技術的なブレークスルーなどを通して20年までに年間10万台の中国ブランドのロボット生産を目標に据える。
こうした将来有望な巨大市場に研究開発拠点を置くことで、シーメンスでは中国国内のニーズを取り入れ、FA(工場自動化)で培った自前技術やノウハウを組み合わせながら、自律ロボットの実用化を進める。さらに現地パートナーや顧客とも協力し、この分野でのエコシステムづくりも行う。
ロボット開発の上では、シーメンスが開発してきた技術資産を有効活用する。接続するとすぐ使用できるプラグ・アンド・プレイの端末機器(開発中)などの応用を見込むほか、工場内の機器とコントローラー間の信号のやりとりをデジタルで行うフィールドネットワークに「PROFINET」、工場内の制御ネットワークとITネットワークとの接続通信規格には「OPC−UA」を採用。ドイツが進めるインダストリー4.0と親和性の高いものとし、多軸ロボット制御で要求される高い性能を満たしながら価格競争力の向上を狙う。
(2017/9/17 10:00)