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[ 科学技術・大学 ]
(2017/9/21 05:00)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球から3億キロメートル離れた小惑星に向かって航行中の探査機「はやぶさ2」を使い、地上と探査機との通信遮断時間をゼロにする技術を確立した。米航空宇宙局(NASA)と共同で地上局での受信の切り替えをスムーズに行うことに成功、地球圏の外にある「深宇宙」の探査機と途切れることなく通信できた。深宇宙探査機は各国で開発が進んでおり、この技術が深宇宙との通信の基盤技術となることが期待される。
はやぶさ2は2018年6月にも、3億キロメートルの距離にある小惑星「リュウグウ」に到着する。リュウグウへの着陸時にはほぼリアルタイムのモニタリングと繊細な作業が必要。そのため24時間以上での連続通信が必須となる。
通信の空白があると着陸のタイミングが限られるが連続通信でミッションの自由度は増す。従来技術では地上局を切り替える際に20分程度の通信の空白があった。
探査機と通信できる地上局が一つの場合、地上局と探査機の位置関係により、通信時間は0―12時間となる。そのため長時間の連続通信には複数の地上局で通信機能を切り替える技術「アップリンクトランスファー」が必要となる。
JAXAは各局へのデータの共有や運用者同士のコミュニケーションを密にして、地上局の切り替え時に必要だった周波数の切り替え作業をなくした。これによって、通信が途切れなくなる。日本の地上局は長野県の臼田局のみで、今回の実証実験には臼田局とNASAの米ゴールドストーン局を利用した。
(2017/9/21 05:00)