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[ 建設・住宅・生活 ]
(2017/9/26 05:00)
鉄道総合技術研究所(鉄道総研)は積水化学工業と共同で、間伐材チップを使った鉄道用枕木を開発した。板状だけでなく、レールの継ぎ目位置で使う枠型枕木も成型できる。木製の枕木は調達が難しくなっており、間伐材を原料に使えれば鉄道林の有効活用になる。原木を使用した枕木より長寿命で、強度も同等以上あることから、鉄道の保守作業軽減にもつながる。
間伐材チップを使った枕木は、コンクリートなどを使った木代替に比べて安く、既存の木製よりも数割高くなる見通し。今後、実際の軌道に敷設して実証を行う。板状枕木は2018年以降に、より強度が求められる枠型枕木は20年以降の実用化を目指す。
開発した枕木は間伐材や残材を破砕したチップに、防腐剤としてバイオマス由来樹脂を含浸。これに接着剤を混ぜて向きを整えて積層し、加圧成型する。型を用いて作ることから形状の自由度が高いのも特徴だ。
ブナやクリ、ヒノキなどが原料の木製枕木の寿命は腐食するため一般的に10―20年とされる。このため耐久性に優れたコンクリート製や、樹脂にガラス繊維を加えて強化した合成枕木が代替品として普及した。
木製枕木は地方のローカル線を中心に依然、多く使われており、材料の安定供給は課題だった。海岸や多雪地域の沿線には、防風や防雪を目的とした鉄道林が設置されている。これまで間伐材を枕木に転用する例はなく、低コストで地産地消が可能となる。
(2017/9/26 05:00)