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[ 医療・健康・食品 ]
(2017/9/28 05:00)
アンカフェシュクレ(東京都墨田区、楡井〈にれい〉有子社長、03・3613・7551)は超臨界技術センター(三重県桑名市)と共同で、二酸化炭素と水だけを用いて、コーヒー生豆からカフェインを取り除く方法を開発した。同手法は「超臨界二酸化炭素抽出」と呼ばれる技術で、カフェインを含まない(デカフェ)コーヒーとして商品化。12月に国内で加工した初の「デカフェコーヒー」として発売する。(写真部・田山浩一、高橋沙世子)
現在、日本に輸入される生豆の脱カフェイン法は、ほぼ海外技術に依存している。一般的に、有機溶媒抽出法・水抽出法・超臨界二酸化炭素抽出法が主流とされ、有機溶媒を使用したデカフェは日本国内で販売が禁止されている。
そのため国内に水抽出法が広まっている。水抽出法は数日かかる製法だが、アンカフェシュクレと超臨界技術センターが開発した方法は、数時間で済む点が特徴だ。同技術の利用により、短時間でより新鮮な国産デカフェの供給が期待できる。
両者は圧力を加えた二酸化炭素を所定速度で抽出容器内に流通させ、容器内に充填させたコーヒー豆からカフェインを抽出分離させる「超臨界二酸化炭素抽出」という技術を活用。独自の脱カフェイン法(デカフェ)に成功した。
一定の温度と圧力を加え二酸化炭素を気体と液体の性質を併せ持った状態(超臨界)にすることで、気体の拡散性と液体の溶解性の両立からコーヒー豆内部への浸透性が高まる。抽出効率も向上する。
新たに発売するデカフェコーヒーの名称は、「innocent coffee(イノセントコーヒー)」。今後は国内向けに、妊婦や体調などでカフェイン摂取に制限のある消費者向けに訴求する。
ロースター(コーヒー豆を焙煎する人)も務めるアンカフェシュクレの楡井社長は、「国内加工と流通経路の見える化が可能になり、安心安全を提供できる。1人でも多くの方においしいデカフェを飲んでいただき、業界全体でデカフェを盛り上げたい」と語る。
(2017/9/28 05:00)