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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/11 05:00)
理化学研究所の村川泰裕ユニットリーダーらは、マウスやヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)樹立時に生じる全遺伝子情報(ゲノム)の「点変異」について、遺伝子発現への影響がない“良性の変異”であることを明らかにした。変異が起きている場所は、たんぱく質をコード(変換)する遺伝子領域や、遺伝子の発現調節を担う領域では低密度だった。iPS細胞を使った安全で有効な治療法確立への応用が期待される。量子科学技術研究開発機構、大阪大学との共同研究。成果は11日の米科学誌セル・リポーツ電子版に掲載される。
研究チームは、マウス由来のiPS細胞6株で生じた2167の塩基が一つ置き換わる点変異をくわしく調べた。すると、遺伝子領域上に生じたのは1%程度であった。さらにヒト由来のiPS細胞9株5448の点変異では、たんぱく質の発現に関わる領域に起きているのは46カ所と1%以下であった。
点変異は、細胞の核膜に存在する「核ラミナ」という構造に結合したDNA上で起きており、酸化ストレスを受けたことが原因と考えられる。
(2017/10/11 05:00)
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