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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/10/21 07:30)
神戸製鋼所は20日、一部工場でデータ改ざん問題の社内調査を行った際に、現場の管理職らが不正を報告せず、隠していたと発表した。同社は社外の有識者による外部調査委員会を設置する。鉄鋼製品のデータで新たな捏造(ねつぞう)が見つかり、安全性に関する日本工業規格(JIS)をめぐる法令違反の可能性も浮上。品質を軽視する企業体質が改めて浮き彫りになった。
梅原尚人副社長は東京都内で記者会見し、隠蔽(いんぺい)について「過去の不正を全部出そうと努力している最中に起こり、申し訳ない」と陳謝。「新たな不正が今後全くないとは言い切れない」と述べ、改ざん問題が一段と拡大する可能性を認めた。
不正隠しがあったのは、アルミ製品を生産する長府製造所(山口県下関市)。顧客が指定した基準を外れていた不適合品を、工場が行った自主点検の際に報告しないまま出荷していた。神鋼が一連の改ざん問題を把握した後で本社が実施した緊急監査時にも同様の隠蔽が行われたという。関与したのは複数で、社内相談窓口への情報提供により判明した。
このほか、「厚板加工品」と呼ばれる鉄鋼製品で、厚さの測定を一部実施しなかったり、測定データの捏造が行われたりしていた。2015年11月~17年9月の間に、取引先1社に対して3793トンを出荷したが、神鋼は「安全性の問題はない」としている。
またJIS認証を受けた銅管の検査データを書き換える不正行為も見つかり、認証機関の日本品質保証機構(東京)がグループ企業の工場を立ち入り調査した。JIS規格を定めた工業標準化法違反が確認されれば、製品の認証取り消しなどの措置に踏み切る可能性がある。
神鋼はこれまで法令違反を否定してきたが、梅原副社長は「品質保証体制が不十分という点で法令違反だ」との認識を示した。(時事)
(2017/10/21 07:30)