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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/30 05:00)
日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究センターの石川法人研究主幹らは、高エネルギー重粒子線を照射した際に損傷した場所が自己修復するセラミックスを発見した。
200メガ電子ボルトの金粒子による重粒子線をフッ化バリウムなどのセラミックスに照射したところ、その内部のナノメートル(ナノは10億分の1)レベルの原子の配列が修復していた。宇宙空間や原子炉などの強い放射線環境でのセラミックスの利用拡大が期待できる。
従来、表面の構造の観察が得意な走査型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡の観察では、数十ナノメートルの空間解像度しかなかった。
そこで研究グループは、空間解像度が高い透過型電子顕微鏡を利用し、数ナノメートルの微細組織を観察できる新しい手法を開発。重粒子線照射で発生した微細組織の内部をくわしく調べた。
すると、フッ化バリウムやフッ化カルシウムなど放射線に強い特定のセラミックスでは、重粒子照射で1度は内部の原子配列が乱れてしまうものの、すぐにその原子配列が整列し直すことを確認することができた。
量子科学技術研究開発機構との共同研究。成果は英科学誌ナノテクノロジーに掲載された。
(2017/10/30 05:00)
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