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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/30 05:00)
千葉県がんセンターは、血清中の微量金属濃度を測定することで、大腸がんなど6種類のがんを高い的中率で診断する手法を開発した。各種がんのリスクを3段階で判別する。既存の腫瘍マーカーと比較して的中率が高く、がん検診などで活用が期待される。医療機器として2019年4月からの実用化を目指す。神奈川県立がんセンターとレナテック(神奈川県伊勢原市)と共同研究した。
開発した手法は、5CC程度の血液から亜鉛や鉄といった金属のバランス「メタロバランス」を測定する。両センターのがん患者と健常者の検体を測定したところ、がん患者と非がん患者を判断する的中率は大腸がんなど6種類のがんで80%以上と高かった。
また、従来の腫瘍マーカーが特定のがんを判別するのに対し、新手法は1度の採血で複数種類のがんの判別が可能となる。今後は全国で約10万人の検体を解析し、10種以上のがんの診断を目指す。金属はたんぱく質や遺伝子などと比較して壊れにくく、検体の扱いが容易という利点がある。測定には半導体製造に使用する微量元素測定機が利用できるため、検査費用を抑えることができる。
千葉県がんセンターの永瀬浩喜研究所長は、「研究や解析が進めば、有効なマーカーが現在ないがんの早期診断も可能になるかもしれない」と強調した。
(2017/10/30 05:00)
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