[ オピニオン ]
(2017/10/31 05:00)
開催中の東京モーターショーには、次世代の電気自動車(EV)や、人工知能(AI)による自動運転を目指した車が多数展示されている。今後のクルマの方向性を占う上で興味深い。
モーターショーが盛り上がる一方で、残念なニュースが起きた。日産自動車に続いて、SUBARU(スバル)も新車の出荷前に安全性を最終確認する完成検査を資格のない従業員にさせていた。30年以上も前から行われていたという。
ルール違反が常態化していたのに問題が生じなかったとすれば、この資格に意味があるのかという疑問もある。資格取得の基準が自動車会社ごとに異なるなど、国の制度そのものの曖昧さを指摘する声もある。
正規の資格者の印鑑を借りて押印していたというから、法令順守違反であることは否めない。それ以前にモノづくりの根幹を揺るがす行為だ。スバルは最初の車検が済んでいない約25万5000台をリコール(回収・無償修理)する予定で、費用は50億円以上になるという。
自動車産業は日本のモノづくりの最後の砦といわれる。その自動車も電動化の大波にさらされ、事業の再構築を迫られている。もう一度、社内の隅々まで点検し直し、再発防止に取り組んでほしい。
(2017/10/31 05:00)