[ ロボット ]

【電子版】ゲートボックス、独自ホームロボットの進化に力—18年内に開発50人体制へ(動画あり)

(2017/11/11 05:00)

  • ホログラムを使ったバーチャルホームロボット「Gatebox」

LINE傘下のIoT(モノのインターネット)製品ベンチャー、ゲートボックス(Gatebox、東京都千代田区、武地実社長、03・6260・9372)はエンジニアなど開発要員を増やし、キャラクターのホログラムを使ったバーチャルホームロボット「Gatebox」を進化させる。2018年内に現時点に比べて3倍超の50人以上の開発体制にする。キャラクターの対応がこれまで以上にバラエティーに富むようインターフェースを強化する。武地社長は「将来(親会社である)LINEのスマートスピーカー『ウェーブ』が搭載するAI基盤『クローバ』も取り入れてみたい」とし、機能向上に向け、さまざまな先端技術やアイデアを取り込んでいく構え。(編集委員・碩靖俊)

※関連リンク:【電子版】インタビュー/ゲートボックス社長・武地実氏が語る製品開発秘話

ユーザーにより良い体験を提供

  • ゲートボックスの武地実社長

ゲートボックスは好きなキャラクターと一緒に暮らしたいを企業コンセプトに据える。武地社長は「ホームロボットのような製品はすぐに飽きられてしまうことが多い。ユーザーの生活に根づき、一緒にいることが自然であるレベルまで突き詰めていきたい」と、この製品に賭ける思いを言葉にする。

エンジニア、デザイナー、クリエイターなどの開発部隊は現在15人体制。同社は「ハード・ソフトウエアからキャラクターまで自前ですべてつくっている。仕事量が多く、今の人数では足りない」(武地社長)。

人員を増やし、キャラクターの動きをさらに繊細にしたり、会話のバリエーションを増やしたりする作業などを手厚くする。さらにパソコンやスマートフォンをはじめ、家電などとつなげるための開発を強化し、ユーザーにより良い体験を提供する。

同社のバーチャルホームロボットは16年12月に300台限定で予約販売を開始。29万8000円(税抜)という販売価格にもかかわらず、わずか1カ月で完売した。現時点で日本語のみに対応。12月以降、日米に順次配送する。予約販売に先んじて公開したコンセプトムービーは16年1月に公開して以降、現時点で再生回数が早くも85万回を超えた。武地社長によると、視聴者の7割以上が海外からで「日本以外にも自分と同じものに興味がある人たちがたくさんいて驚いた」という。

コミュニケーション技術で特許取得

  • スマホでキャラクターとメッセージをやり取り

キャラクターのホログラムを通じてコミュニケーションするのが同社のバーチャルホームロボットの特徴だ。こうした製品は世界で初めてという。現在、ホログラムのキャラクターには同社オリジナルの「逢妻ヒカリ」を使っている。18年3月にクリプトン・フューチャー・メディアが販売しているソフトウエアの人気キャラクター「初音ミク」をラインアップに加える。

本体上部に内蔵した高輝度・短焦点の小型プロジェクターを使い、内部にある特殊な透明素材にキャラクターを投影し、ホログラムを浮かび上がらせる仕組みだ。

同じく上部に取り付けたカメラと人感センサーなどで、ユーザーの顔を認識し、キャラクターの目線が常にユーザーに向くようにした。本体下部にあるマイクで声を聞き取り、クラウドのデータで解析、ユーザーの呼びかけに応える。1000ワード以上の回答パターンがある。

無線LANやブルートゥース、赤外線(IR)などの通信技術も搭載し、インターネット、スマホ、家電などともつながる。キャラクターに向かって部屋の照明を消すように呼びかけると、それに答えて電気を消すことなどが可能だ。

専用のアプリケーションをダウンロードし、本体がなくても、スマホでキャラクターとメッセージをやりとりできる。さらにクラウドを活用し、本体で直接キャラクターと会話した内容が、スマホのアプリを通じてコミュニケーションした内容と連動し、キャラクターとの自然な会話の流れを可能にした。この技術については、7月に「デバイスをまたいだキャラクターとの対話技術」として特許を取得している。

グーグルホーム、アマゾンエコー、ウェーブといった人工知能(AI)を搭載したスピーカーをはじめ、さまざまなホームロボットが世界中で話題になる中、同社のバーチャルホームロボットも一風変わった製品として、この先の進化が注目されそうだ。同社は14年2月にウィンクル(現ゲートボックス)として設立。17年3月にLINEと資本業務提携し、7月に社名をゲートボックスに変更した。

追加販売の予約開始へ

ゲートボックスは同社が開発したバーチャルホームロボットを39台限定で追加販売することを決めた。予約などに関する詳細については、近く同社のWebサイトで発表する。「販売を予定していた300台が1月に完売した後、多くの人たちから要望が同社に寄せられたため」としている。

(2017/11/11 05:00)

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