[ 機械 ]
(2017/11/6 05:00)
【川越】垣堺精機(埼玉県小鹿野町、垣堺正男社長、0494・75・3310)は、帯状の炭素繊維を連続して切断できるスリッターマシンを開発した。繊維の方向に沿ってテープ状に細切りしてカセットに巻き取る自動化装置。最短1ミリメートル幅でスリットできる。これにより、炭素繊維のさらなる用途拡大に貢献できるとしている。
商品化は2018年中の予定で、「今、受注があれば4―5カ月で納入できる」(垣堺社長)としている。価格は仕様によって1台当たり2000万―3000万円。年間10台程度の販売を見込み、そのうち半分はドイツなど海外に売り込む。
垣堺精機によると、炭素繊維を連続して切断できる自動装置は業界初。「今は手作業のハサミで切るしかなく、精度が悪い。レーザーで自動化を試みたメーカーもあったが、炭素なので焦げてしまう」(同)と述べるように製品化が難しかった。
同社では刃の精度をマイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位で制御しつつ、形状を鋭くして炭素繊維との接触面積を小さくし、刃の切れ味を高めた。さらに、切る前の炭素繊維を刃に送る速さと、切った後に巻き取る速さを油圧制御により同期させ、一定の幅で安定して切断できるようにした。
これにより、細切りした炭素繊維をよって縦と横方向に編めば、さまざまな部材を簡単に加工できるようになる。コストも大幅に削減でき、自動車や建材などで使用範囲が広がるとしている。装置は炭素繊維の供給、切断、巻き取りの3台構成。刃はタングステンに特殊な金属を微量添加した素材を使用。1年後には、より安価なセラミックス製の刃を開発する計画で「タングステンでも10万メートルは切れるが、セラミックスならその2、3倍の長さを切れる」と長寿命化につなげる。巻き取るカセットは4個まで装着可能。1本の炭素繊維を最大4分割できる。
(2017/11/6 05:00)
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