[ 政治・経済 ]
(2017/11/3 05:00)
【シドニー時事】オーストラリア内陸部にあり日本人観光客も訪れる世界最大級の一枚岩「ウルル(英語名エアーズロック)」が、地権者である先住民アボリジニの意向などを反映し、2019年10月26日から登山禁止となることが1日決まった。
世界遺産に登録されているウルルは、高さが346メートルと東京タワーをやや上回る。日本からは年間2万人近くが訪れ、頂上からの景色を楽しもうとする人も多い。
ただ、巨大な岩は先住民にとっては「聖地」だ。できれば登山を避けてもらいたいのが本音。そこで「下から見上げるだけの人たちも多い観光客全体のうち、登山する人の割合が2割を切れば、登山を禁止できる」と基準を10年に定めた。当時38%だった割合が直近では約16%に低下したため、先住民らで構成される運営委員会が1日、全会一致で禁止を決めた。
ウルルは斜面が急で、かつては転落して死亡する事故も発生。最近では安全への配慮などから、雨風が強い日などの登山を禁止している。日本からは、ヒットした邦画「世界の中心で、愛をさけぶ」(04年)に絡む土地であることからウルルを訪れる人が増え、「パワースポット」としても人気がある。
(2017/11/3 05:00)