[ ICT ]
(2017/11/17 05:00)
経済産業省は、強固なサイバーセキュリティー対策を施したIoT(モノのインターネット)投資にインセンティブを与える方針を固めた。日本企業による産業データの利活用は諸外国に比べて遅れている。第4次産業革命を迎える中、基幹システムを含めて企業のIT化を抜本的に強化する税制優遇措置を検討。業種を越えたオープンイノベーションやM&A(合併・買収)を促し、日本企業のサイバーセキュリティー武装や生産性革命を後押しする。
経産省が2018年度の税制改正要求に盛り込んだ。適用期限は19年度末まで。
企業が策定・提出した「データ連携・利活用事業計画」を主務大臣が認定し、所轄の税務署が同計画に含まれる設備投資に税制優遇措置を取る。対象とする設備はサーバーや人工知能(AI)、ソフトウエア、ロボット、センサー、工作機械、サイバーセキュリティー製品などを想定している。
情報セキュリティスペシャリストなど専門家が確認した十分なサイバーセキュリティー対策を施し、データ利活用による一定の生産性向上目標が達成されることを大臣認定の条件とする方針だ。実現すると、関連業界に駆け込み需要が発生する可能性がある。また、大規模な基幹システムの刷新に踏み切る企業も増えそうだ。
総務省の調査では第4次産業革命に向けた日本企業の取り組みについて「検討段階」との回答が約48%を占めた。「導入から基盤化段階」との回答は約41%で、米国の約54%、英国の約65%、ドイツの約69%に比べて見劣りする。
また、産業データ利活用の国際比較では「既に積極的に活用」と回答した日本企業は約16%にとどまる。米国の約41%、ドイツの約32%に比べて後れを取っている。
(2017/11/17 05:00)