[ 科学技術・大学 ]

【電子版】1万年前に絶滅、氷漬けのホラアナライオン 完全体発見

(2017/11/16 21:30)

  • 2015年に永久凍土から見つかったホラアナライオンの子供 ©NAO Foundation,Cave Lion Research Project,Photo by Naoki Suzuki

 ロシア極東のサハ共和国で、1万年前に絶滅した肉食獣「ホラアナライオン」の氷漬けになった子供3頭が、永久凍土の中から相次いで発見された。日本とロシアの研究チームが15日、発表した。ホラアナライオンは骨格と足跡がわずかに見つかっていただけで、完全体の発見は世界初。生態の解明につながると期待される。

  • 新たに発見されたホラアナライオンの子供を調べる研究者 ©NAO Foundation,Cave Lion Research Project,Photo by Naoki Suzuki

  • 研究チームが作成したホラアナライオンの復元図。成体2頭は想像図 ©NAO Foundation,Cave Lion Research Project,Illustration by Utako Kikutani

 兄弟とみられる2頭は2015年夏に見つかった。1頭は体長41センチ、体重2・8キロで、全身がほぼ完全に残り、しま模様の毛皮も確認された。もう1頭は頭と胸だけ見つかった。コンピューター断層撮影(CT)画像を東京慈恵会医大(東京都)で解析した結果、5万年以上前の個体で、生後1カ月程度とみられる。

 今年9月には、体長47.5センチ、体重4・6キロの、さらに成長した個体が見つかった。尾は少なくとも11センチあった。

 ホラアナライオンは現存するライオンと比べて毛深く、独特のしま模様がある一方、たてがみはなかった可能性がある。記者会見したロシア科学アカデミーのアレクセイ・チホノフ博士によると、マンモスを食べており、食物連鎖の頂点にいたとされる。

 慈恵医大の鈴木直樹教授は、消化管の内容物から詳しい食生活など多くのことが分かると指摘。「タイムマシンで数万年さかのぼり、直接動物を調べるほどの価値がある」と評価した。(時事)

(2017/11/16 21:30)

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン