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[ 科学技術・大学 ]
(2017/11/20 05:00)
温暖化で北大西洋のハリケーンが増加するのを抑えるため、北半球の成層圏に人為的に火山ガス(二酸化硫黄)を散布した場合、サハラ砂漠南側の西アフリカなどで深刻な干ばつが起きると、英エクセター大学などの英米研究チームが発表した。コンピューターでシミュレーションを行った成果で、論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。二酸化硫黄散布は火山の大噴火で太陽光が遮られ、気温が低下する現象を再現する試みで、ジオエンジニアリング(気候工学)の有力な手段とされるが、研究チームは副作用に懸念を表明した。
ハリケーンは、1982年のメキシコ・エルチチョン山噴火や91年のフィリピン・ピナトゥボ山噴火で減少。一方、インドネシアの赤道より南側にあるタンボラ山で1815年に起きた噴火やアグン山の1963年の噴火の後は、増加した。
研究チームのシミュレーションでも、南半球の成層圏に二酸化硫黄を散布した場合、北大西洋のハリケーンが増える結果となった。研究チームは気候工学の導入以前に、温暖化で地球の各地域にどんな影響が生じるかを正しく予測することが重要だと指摘している。
(2017/11/20 05:00)
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