産業春秋/中長期的に安定させたい電気代

(2024/6/27 05:00)

8―10月に電気・ガス代の政府補助再開が打ち出された。諸物価高騰の折り、消費者には一時の熱冷ましにはなるが、あくまでも時限措置。あらためて中長期にエネルギー価格の振幅を抑える仕組みが必要との考えに至る。

気象庁の予報では7―9月は平年より暑くなり、9月の残暑は厳しい。補助再開の背景ではある。一方で、熱中症対策としてエアコンの使用が呼びかけられる。電力需給に不安を覚える。

経済産業省はこの夏、電力の安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できるとして節電要請は行わない。ただ供給力には老朽化した火力発電所などが含まれており、設備トラブルなどのリスクを踏まえ予断を許さない状況という。

夏を乗り越えても、冬場には暖房でエネルギー需要は増える。中長期的に見れば、生成人工知能(AI)が社会に行き渡ることで、データセンターや半導体工場の新設が相次ぎ、電力需要はケタ違いに増す。

為替は、東日本大震災後の対ドル最高値から円の価値は半減した。日銀の金融正常化への歩みに期待する。電力供給では海水中の重水素を燃料とする核融合発電。実用化は20―30年先だが、スタートアップの活発な研究開発に注目したい。

(2024/6/27 05:00)

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