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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/11/27 14:00)
(ブルームバーグ)「マクラーレン720S」は多くの称賛を得ているスーパーカーだ。最も有名なところで言えば、米自動車誌「ロード・アンド・トラック」の2017年「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。しかし、マクラーレン720Sは愛着を感じるのが難しい車でもある。
確かに720Sの技術と設計は驚異的な水準であり、かなりの高性能だ。来年5月に発売されたら28万4745ドル(約3200万円)を払って所有する価値はあるかもしれない。ただ、日常的に使用するなら他の車の方が乗っていて楽しい気持ちになれると私は予想している。
マクラーレン720Sは私にとっては久しぶりに、駐車場から出す前にオリエンテーションが本当に必要になった車だ。ここで言うオリエンテーションとは、技術者に助手席に座ってもらい、運転モード(「コンフォート」、「スポーツ」、「トラック」)を変更する方法から、後部エアブレーキの引き方、さらにはラジオをつける方法に至るまで、15分間説明を受けるということだ。
マクラーレンは720Sを「超高性能DNA」を持つ車と位置付けているが、まさにその通りだ。それが車に求める唯一のことなら、その良さが分かるのかもしれない。ただ、この車はニューヨークのソーホー地区の迷路のような石畳の道路やチャイナタウンの路地裏を走らせるのには向いていない。
私はどちらかと言えば体験という観点から車を見ているので、その難点について警告する義務があると考えている。他のことを優先するために使い勝手が見落とされたのかもしれないが、この車の内部には簡単または直感的に操作できるものはほとんどない。例えばサイドミラーの位置を変えたいと思ったら、しばらく間違った場所でつまみを探す羽目になるだろう(ちなみにそれはハンドルの下にある)。
720Sは車よりもロケットに近く、外観や機能のために快適さや人間工学が犠牲にされたのかもしれない。ただ、720Sの使い勝手の難点は、競合する高級車「ランボルギーニ・アヴェンタドールS」や「ブガッティ・シロン」と比較しても大きい。
(2017/11/27 14:00)