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[ エレクトロニクス ]
(2017/12/5 11:00)
電池コスト急落、世界各地で大規模プロジェクト
(ブルームバーグ)電気自動車(EV)メーカー、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、契約締結から100日以内に世界最大の蓄電池システムをオーストラリアのサウスオーストラリア州に設置するとの公約を実現し、懐疑派が間違っていたことを立証した。だが、その栄冠は来年2月に手放すことになりそうだ。
韓国の現代重工業の傘下企業、現代エレクトリック・エネルギー・システムは、マスク氏が手掛けたものと比べ50%大きい、出力150メガワットのリチウムイオン蓄電システムの建設を進めている。同社によると、このシステムは韓国の南東部に位置する蔚山で約3カ月以内に稼働開始となる。
2014年以降に電池価格がほぼ半分に下がったことを受け、世界の各地で大規模な蓄電プロジェクトが次々誕生している。ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)のシニアアソシエート、アリ・アスガー氏は「これほどの規模の大きい蓄電池をいかに迅速に設置・稼働させるかで、マスク氏は基準を打ち立てた」と指摘。
ただ、「電池コストの急落により、エネルギー備蓄に応用することが世界の多くの地域において主力かつ説得力ある選択肢となり」、テスラを超える規模のプロジェクトが現在進められていると述べた。
サウスオーストラリア州のように、石炭や天然ガスに代表される化石燃料への依存度が低い地域で、蓄電産業は重要性を増しつつある。同州では電力源の41%を再生可能エネルギーが占め、風力および太陽光発電の普及率は世界でも指折りの高さとなっている。
AESやアルタガスといった再生可能エネルギー企業はすでに、大規模なエネルギー備蓄事業への参入を果たしている。ネクステラ・エナジー、エーオンなどその他企業も、コスト競争力の高いバッテリーパックを近く製造する見通しだと、ケアン・エナジー・リサーチ・アドバイザーズのアナリスト、サム・ジャッフェ氏は話した。
(2017/12/5 11:00)