[ ICT ]
(2017/12/6 22:30)
スーパーコンピューター開発会社「ペジーコンピューティング」による詐欺事件で、逮捕された社長の斉藤元章容疑者(49)が、不正に得た助成金を自身が関与する複数の企業の増資に充てていたとみられることが6日、関係者への取材で分かった。
業務委託費を装って費用を水増しする手口で助成金を得ていた疑いも判明。東京地検特捜部が実態解明を進めている。
斉藤容疑者は、事業開発部長だった鈴木大介容疑者(47)と共謀。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した助成事業で2014年2月、事業費用を7億7300万円まで水増しした実績報告書を提出し、ほぼ上限の約4億9900万円の助成金を受け取った疑いが持たれている。
関係者によると、斉藤容疑者らは複数の会社への業務委託費を偽る手口で事業費を水増し。不正に得た助成金は、主に同容疑者が経営に関与する企業の増資に充てられたとみられる。
特捜部は、増資によって会社の信用力を高める狙いがあった可能性があるとみて調べている。
民間信用調査会社によると、斉藤容疑者はペジー社のほか、複数のコンピューター関連会社の代表や役員を務めている。
NEDOを所管する経済産業省が事業の実態を把握するために行った「行政事業レビュー」では、ペジー社による助成金の使途のうち、大半を占めたのが4億3600万円の「その他経費」だった。関係者によると、大部分は外部委託費で、水増しされていたという。(時事)
(2017/12/6 22:30)