[ 政治・経済 ]
(2017/12/9 05:00)
安倍晋三首相は8日、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長と電話で会談し、日EU経済連携協定(EPA)の交渉が妥結したことを確認した。目指す2019年の協定発効に向け、最大の懸案だった「投資」分野を協定から切り離すことでおおむね一致した。発効すれば、世界全体の国内総生産(GDP)の約3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する。
安倍首相は会談後、記者団に「日本とEUが手を携え、自由で公正なルールに基づく経済圏をつくり上げていく」と述べた。巨大貿易圏の創設は、貿易や投資の促進を通じて経済成長を加速させるだけでなく、世界的に強まる保護主義的な動きに歯止めをかける狙いだ。
日本とEUは5~8日の日程でブリュッセルで首席交渉官会合を開催した。7月の大枠合意は関税分野が中心だった。先送りした投資分野は、EPAから分離して別の投資協定として扱う方向で協議を継続する。ただ、別協定にしても、投資家と進出先国の紛争解決ルールをめぐる隔たりは、解消できておらず、調整を続ける。
今後日欧EPAは、投資分野を除く条文の法的精査を経て、EUの公用語に翻訳。その後、来夏にも署名し、日本とEU双方の議会承認を行う。(時事)
(2017/12/9 05:00)