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[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/19 05:00)
理化学研究所の樽茶(たるちゃ)清悟グループディレクター(東京大学教授を兼務)らは、半導体技術として確立しているシリコンを利用し、高性能の量子コンピューター要素技術を開発した。電子の自転(スピン)を使い、量子情報の最小単位「量子ビット」を表す素子を開発。素子の性能を示す「量子ビット演算精度」で99・93%を達成した。次世代コンピューター候補として注目される量子コンピューターの開発の進展が期待される。
既存の集積回路技術を利用することで、製造コストを従来とほぼ同等にできるとみられる。産業技術総合研究所や民間と共同で研究開発を進める考えだ。磁気的な雑音が少ないシリコン基板を用いた量子ドット素子と、小型磁石を用いて電子スピンを高速で制御する手法を利用。従来の量子ビットに比べ、100倍の演算速度と10倍の情報保持時間を同時に達成した。
さらに演算時に起きる誤りを減らし、誤りの修正にかかるコンピューターの負担を減らせることを示した。
すでに米グーグルや米IBMが超電導を利用した量子ビットで演算精度99・9%を達成している。
だが情報の保持時間が短く、光インターフェースが困難といった課題がある。
東大や東京工業大学などとの共同研究。成果は19日、国際科学誌ネイチャー・ナノテクノロジー電子版に掲載される。
(2017/12/19 05:00)
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