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[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/19 05:00)
東北大学大学院医学系研究科の今井淳太講師らは、脳からの神経信号がインスリンを作る膵臓(すいぞう)の細胞「β細胞」を増やしていることを明らかにした。マウスの実験で明らかにした。電気刺激などで信号を活性化させ、β細胞を増やすことができれば、糖尿病の根本的治療へ応用が期待される。成果は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。
血糖の調節は、糖を貯蔵する肝臓から内蔵の神経を介して脳へ信号が伝わり、全身をめぐる神経「迷走神経」から膵臓へという順序で信号伝達によってもたらされる。
研究グループは、膵臓のβ細胞の増加を活性化する物質として、迷走神経が分泌する神経伝達物質「アセチルコリン」「PACAP」などを同定した。
マウスの膵臓細胞に、これらの神経伝達物質を直接作用させると、無処理ではほとんど増えないβ細胞が、2日間で5、6倍に増えた。また食事が過量になると、体重が増え始める前に信号伝達経路が活性化。β細胞を増やして血糖上昇を防いでいた。
今井講師は、「糖尿病の治療に膵臓移植が行われることがある。移植用の膵臓に神経伝達物質を作用させて、機能を上げることが可能になるかもしれない」と期待を述べた。
(2017/12/19 05:00)
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