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[ 環境・エネルギー ]
(2017/12/27 12:30)
地元は慎重姿勢、再稼働見通せず
原子力規制委員会は27日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)が新規制基準に適合すると認めた審査書を正式決定した。東電が事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉(BWR)が、再稼働に必要な審査に合格したのは初めて。合格は東電の原発としても初で、全国7原発14基となった。
再稼働には地元の同意が必要だが、新潟県の米山隆一知事は県が独自に進める福島原発事故の検証に3年程度かかるとして、慎重な姿勢を崩しておらず、再稼働の時期は見通せない。
審査書は、想定する地震の揺れ(基準地震動)を最大1209ガル(ガルは加速度の単位)、到来する津波の高さを最大8・3メートルと設定。事故時に高圧になった格納容器内の圧力を下げる対策として義務付けられた「フィルター付きベント」(圧力逃し装置)に加え、東電が独自に提案した「代替循環冷却系」(内部を冷やし圧力を下げる装置)の有効性も認めた。
規制委は事故を起こした東電に再び原発を運転する「適格性」を認めるに当たり、「安全を最優先に原子力事業に取り組む」と確約させた。発電事業を所管する経済産業相からも「東電が表明した方針に異論はなく、同社がこれらを順守するよう適切に監督・指導していく」との回答を得た。
規制委は今後、原発の運転管理の基本的事項を定めた保安規定の審査を進めるが、この中で「安全最優先」の姿勢を明記させ、規制委の検査で取り組み状況をチェックできるようにする。(時事)
(2017/12/27 12:30)