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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/12/29 12:00)
直近評価額大きく下回る
米ウーバー・テクノロジーズの株主は、ソフトバンクグループ率いる投資家連合に持ち分のかなりの部分を売却することで合意した。ソフトバンクは、直近の評価額を大きく下回る額でウーバー株を取得する。
ウーバーの広報担当は28日に電子メールで配布した発表文で、「買い手側と協力して取引全体を完了させることを楽しみにしている。今回の取引は当社の技術投資を支援し、成長に拍車を掛け、コーポレートガバナンス(企業統治)を強化すると期待する」と表明した。
事情に詳しい関係者によれば、今回の取引ではウーバーの価値を480億ドル(約5兆4200億円)と評価することになる。投資家連合はこのほか、ウーバーに対し、より高い690億ドルの評価に基づき12億5000万ドルを直接出資する。投資家グループはソフトバンク、ドラゴニア・インベストメント・グループ、TPG、テンセント・ホールディングス、セコイア・キャピタルで構成される。関係者は取引がまだ完了していないとして匿名を条件に語った。
今回の買い付けに応じて既存株主から提供されたのはウーバー株の20%強。今回の取引全体では約90億ドルが投資される。投資家連合はウーバー株全体の約17.5%を所有することになり、そのうちソフトバンクは最大の15%を取得する。ソフトバンクはこれにより、中国とインド、東南アジア、ブラジル、米国のライドシェア(相乗り)業界リーダー5社に出資することになる。
ソフトバンクのテクノロジー投資ファンド(930億ドル規模)で最高経営責任者(CEO)を務めるラジーブ・ミスラ氏は「株式の買い付けでのウーバー株主からの支持に感謝しており、1月に投資全体が完了することを楽しみにしている」と述べた。
ソフトバンクは今回の株式取得でウーバーの主要株主となり、取締役会で2議席を確保する。ミスラ氏と米子会社スプリントのマルセロ・クラウレCEOは以前からウーバーの取締役候補と目されている。合意の成立次第だったウーバーのガバナンス改革も始動し、取締役の数は17人に増え、早期の支援者に与えられていた並外れた大きさの議決権を取り消す。ウーバーにとって最大の支援者だったベンチャーキャピタル(VC)のベンチマークは、トラビス・カラニック前最高経営責任者(CEO)を相手取って起こした訴訟を取り下げる。(ブルームバーグ)
(2017/12/29 12:00)