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[ 中小・ベンチャー ]
(2018/1/5 05:00)
【富山】キャステム(富山市、大上仁士社長、076・465・3582)は厚さ0・05ミリメートルという極薄のアルミニウム薄板の端面同士の接合溶接に成功した。アルミの薄板の端面は溶接が困難だが、高精度レーザー溶接装置を駆使して実現した。アルミ薄板は製品の軽量化ニーズを背景に利用が広がっている。接合技術の高度化で、アルミの用途拡大が見込める。
アルミ薄板を溶接する場合、熱の温度が低いと熱が散りやすく、高いと穴が開きやすくなる。また、溶接時にアルミ表面にできる酸化皮膜や、板厚が薄いほど熱膨張の影響が大きくなる特性から、溶接が難しい。
同社はレーザーでの肉盛り溶接による金型補修を主に手がけている。この金型補修で培ったノウハウを生かし、接合溶接に適切な条件を探り当て、厚さ0・05ミリメートルの2枚の薄板の端面と端面を接合させた。
また、より難しいとされる平面と端面を付ける溶接では、同0・05ミリメートルの薄板の平面に同0・08ミリメートルの薄板の端面を付けた。さらに同0・08ミリメートル同士の平面と端面を付けることにも成功している。
同社は肉盛り技術のほか、チタンとアルミや、アルミと鉄といった異種金属同士を接合させるなど、優れた接合技術も保有している。このため「よそではできない依頼が最近は増えている」(大上社長)という。今後は、接合溶接を新たな事業の柱に育成していく考えだ。
(2018/1/5 05:00)