[ ICT ]
(2018/1/11 11:00)
高度な3次元(3D)顔認識機能を備えるアップルのiPhone Xの生産に間に合わず、実は盛り込めなかったと言われる機能がある。それまでのホームボタンの「タッチID」に代わり、大画面の有機ELディスプレー(OLED)の画面上で使える指紋認識機能だ。
サムスン、アップルも追随か
米ラスベガスで現在開催中のCES2018には、世界で初めてディスプレー一体型指紋センサーを採用した中国・Vivo(ビーボ)のスマートフォンがデモ展示され、話題を呼んでいる。センサー自体はタッチパネル駆動用ICなどを手がける米シナプティクスが開発・製造する。
「インフィニティー(無限大)・ディスプレー」とも言われる、外側のベゼル部分がほとんどない大画面OLEDが注目される中、スクリーン組み込み型の指紋認識センサーは2018年のスマホの大きなトレンドになるかもしれない。そのため、次はサムスンの「ギャラクシーS9」やハイエンドの次期iPhoneで採用されるのでは、との噂も出てきている。
Vivoはサムスン、アップル、中国のファーウェイ、OPPO(オッポ)に次ぐ世界第5位のスマホメーカー。試作機では6インチのOLEDの下の層にシナプティクスが量産を開始した光学式指紋センサー「クリアID」が埋め込まれ、ディスプレー上から読み取った指紋イメージをスマホ内蔵ソフトが持ち主の指紋かどうか瞬時に識別する。シナプティクスによれば、指が湿っていても乾いていても冷たくても1回で認識し、処理速度は3D顔認識の2倍高速だとしている。
ただ、Vivoの試作機は名前や発売時期、値段も決まっていないという。また、クリアIDはOLEDスクリーンの下から光で指紋を読み取る方式のため、バックライトを持つLEDディスプレーでは使用できない。
(2018/1/11 11:00)