[ 人物 ]
(2018/1/12 13:30)
政府は12日の閣議で、商工中金の次期社長に、関根正裕プリンスホテル常務が就任する人事を了解した。商工中金の臨時株主総会を経て3月27日付で就任する。危機対応融資の不正発覚を受け、元経済産業事務次官の安達健祐社長は辞任の意向を表明していた。
関根氏はみずほフィナンシャルグループ出身。民間企業で経営企画などを担当した経験を生かし、商工中金の経営立て直しを図る。
世耕弘成経産相は12日の閣議後会見で、関根氏について「金融のプロとして実務に精通し、地域密着型の企業立て直しのプロとして商工中金の解体的出直しを託すのにふさわしい人物だ」と述べた。
商工中金のトップは長らく通商産業省(現経産省)OBの指定席だった。株式会社化された2008年に新日本製鉄(現新日鉄住金)出身の関哲夫氏が就任したが、13年からは天下りが復活していた。
商工中金は危機対応融資で約4600件に上る不正を繰り返していたことが発覚。昨年、関係省庁から業務改善命令を2度受けた。経産省の有識者会議は11日、4年後に完全民営化の可否を判断するよう国に提言した。
【略歴】関根正裕氏(せきね・まさひろ)早大政経卒。81年第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。みずほ銀行広報室長などを経て、07年西武鉄道に入社。09年6月プリンスホテル取締役を経て10年6月常務。東京都出身、60歳。
(時事)
(2018/1/12 13:30)