[ ICT ]
(2018/1/14 08:30)
クルマに後付けできる小型の衝突回避支援システムの機能を使って都市の道路周辺のデータを大量に収集し、スマートシティーのリアルタイム運用管理に役立てる事業構想をイスラエルのモービルアイが打ち出した。米ラスベガスで開催されたCESで発表した。
ロンドン・NY・デュッセルドルフなどで開始
対象となる車両はバスやタクシー、配車サービス、政府・自治体の公用車、警察車両、配送トラックなど。第1弾としてロンドンやニューヨーク、ドイツ・デュッセルドルフ、スペインなどで近く利用が始まるという。
この装置は先進運転支援システム(ADAS)向けの「モービルアイ8コネクト」。同社の「EyeQ4」プロセッサーと画像センサー1台を組み込んだ小型デバイスで、クルマの前方の窓ガラス内側に取り付ける。運転中に衝突の危険性などを察知すると、音や映像を使って運転者に注意を促す機能を備える。
それに加えて、画像センサーから道路標識の見やすさや社会インフラの破損、交通事故の発生、駐車スペースの空き具合といった情報を低コストで集めることも可能。これらをモービルアイの道路情報管理向けクラウドシステム「REM」に吸い上げ、8コネクトを採用した事業者や各都市などの管理当局に提供する。
初期ユーザーとして名乗りを挙げたうち、イスラエルの配車サービス大手でグローバルに事業を展開するゲットはロンドンで約500台のタクシーに、米バギーTLCリーシングは主にニューヨーク市内でレンタルリースされる約2000台の車両にこの装置を搭載。それぞれの都市での高精細な道路運用マップの作成に利用される。
さらに、ドイツのデュッセルドルフ市は750台の車両に採用。ドイツ連邦政府の資金援助で進めるプロジェクトで、自動運転車やコネクテッドカー(つながる車)と既存インフラとの適合性およびデータ収集モデルの試験に役立てる。スペイン交通局は道路の安全性向上ともに、自動運転車の普及を想定したインフラおよび法制度の整備に活用するという。
(2018/1/14 08:30)