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(2018/1/17 05:00)
知的財産経営というと、中小企業にとってハードルが高く感じられる。しかしグローバル競争時代に勝ち残り、成長し続けようとするならば知財戦略は欠かせない。知財を経営の中核に据えて成功した企業も出始めている。
石川啄木の故郷、盛岡市渋民。北上川の美しい流れと雄大な奥羽山脈を望むこの地に、自動車や情報通信機器のグローバルプレーヤーが注目する表面処理企業がある。1959年創業の東亜電化(盛岡市)。金属とプラスチックを接合するための表面処理技術「TRI(トライ)」、高離型性薄膜処理技術「TIER(ティア)コート」はオンリーワン技術だ。
【1本の新聞記事】
同社を語るキーワードは、オープンイノベーションと知的財産。転機は76年に見た1本の新聞記事だった。三浦宏社長の母校、岩手大学が硫黄有機化合物トリアジンチオールに関する研究開発を進めているとの内容で、この技術を表面処理に活用できると踏み、相談に訪れた。翌年から産学連携による研究開発をスタート。卒業生を採用するなどパイプは次第に太くなった。
そして03年。トリアジンチオールを活用した成形接着技術が大きな成果を得る。東亜電化、トーノ精密(岩手県遠野市)、岩手大、岩手県工業技術センターとの共同開発でホンダの燃料電池車(FCV)の心臓部であるウルトラキャパシタ用部品に採用された。これを機に、自動車業界との関係を深める。
【基本特許を押さえてほしい】
「御社の技術に興味があります」。ホンダとの取引成立からまもなく、別の自動車メーカーからも声がかかる。リチウムイオン電池部品に東亜電化の表面処理技術を使えないかという打診。この際、相手方から技術の裏付けとして「基本特許を押さえてほしい」と言われたことが、同社が知財経営に本格的に歩み出す契機になる。
【オープン戦略にカジ】
それまで東亜電化はノウハウを秘匿するブラックボックス戦略が経営の基本方針だったが、オープン戦略にかじを切る。開発技術は国内、海外に出願。ライセンスビジネスの本格検討も進める。自動車、自動車部品メーカーと共同開発した技術は量産には至らなかったが、富士通の目にとまり、スマートフォン部品に採用された。
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(2018/1/17 05:00)
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